世界では、毎年1,790万もの人々が心臓や血管に関わる病気で亡くなっていますが、そのうちの85%を占めるのが心筋梗塞・脳梗塞です。
日本においては、厚生労働省の調査によると、脳梗塞が寝たきりの状態での介護が必要となる原因1位となっています。
このデータからわかるように、心筋梗塞・脳梗塞のこわいところは、死に至る可能性がある点そして命をとりとめても重い後遺症が残る可能性がある点です。
本人の苦しさは言うまでもなく、家族や周囲の人にとっても長く続く介護は精神的および金銭的負担を考えると非常に辛いものです。
心筋梗塞・脳梗塞の症状
心臓や脳への血液の流れが悪くなるとどのような症状が現れるのでしょうか。
代表的なものは次のとおりです。
- 心筋梗塞
- 胸の違和感(痛みやしめつけられる感じがする)
- あごや首、胸の下あたり、腰が痛い
- 胸焼け、消化不良、吐き気がする
- 冷や汗を感じる
- 突然立ちくらみやめまいを感じる
- 息苦しい
- 脳梗塞
- ろれつが回らない
- 相手の話が理解できなくなる
- 顔や手足にしびれを感じる(体の片側のみ)
- 突然視界に異常が出る(ぼやける、真っ暗になる、二重にみえる)
- 突然ひどい頭痛を感じる
- 歩けなくなる
影響を受ける部位が心臓か脳かによって現れる症状は異なりますが、共通のキーワードは「突然」です。
特に心筋梗塞については、ある日まで何の異常も見られなかった人が突然心臓発作を起こす場合もあります。
一方で、わずかな前兆がみられることもあります。
心臓発作の数時間前〜数週間前に何度も胸の痛みを感じることです。
これは脂肪やコレステロール等が冠状動脈にたまることで血管が狭くなり血液の流れが悪くなっており、もう少しで血管が詰まるおそれがあることを知らせています。
脳梗塞は周囲から見ても非常にわかりやすい症状が現れます。
これらの症状を放置してしまうと脳の細胞がさらに死んでしまうため後遺症へとつながります。
例えば、理解したり考えたりする機能がますます落ちていきます。
また、記憶障害は脳梗塞の後遺症としてよくみられます。
筋肉が麻痺してしまうため、口の筋肉を動かして話したり、喉の筋肉を動かして物を飲み込んだりといったありとあらゆる日常動作が難しくなってしまいます。
心筋梗塞・脳梗塞の予防
心筋梗塞・脳梗塞は突然発症することもあるため予防が難しいと思われがちですが、次の行動を意識することで発症リスクを減らすことが可能です。
- 血圧やコレステロール、体重を把握する
- 適切な食事と適度な運動を心がける
- ストレスを減らす
- 禁煙する
- お酒を控える
まず、心筋梗塞・脳梗塞を発症する原因は血液の流れが悪くなることでした。
つまり、その兆候が出ていないか日頃からあなたの数値を把握する必要があります。
血圧が高ければ、血管に負担がかかって狭くなり血液の流れが悪くなっている状態です。
コレステロールが高ければ、コレステロールが血管の壁にたまり血液の流れが悪くなっている状態です。
体重が増えすぎていれば、こちらも血管に負担がかかって狭くなり血液の流れが悪くなっている状態です。
定期検診等でこれらの値からリスクを早目に発見することが心筋梗塞・脳梗塞予防のために重要です。
40代以上の方や高血圧、糖尿病を患っている方、家族が心筋梗塞・脳梗塞を経験した方はリスクが高いので特に注意しましょう。
まずは血圧やコレステロール、体重の数値を知ることが第一段階です。
自身の状態を数値でしっかり把握した上で、健康的な食事を心がけましょう。
心筋梗塞・脳梗塞は概ね心臓病予防と共通しており野菜、フルーツ、穀物類を中心に脂肪が少なく食物繊維の豊富な食材をバランス良くとることが一般的に良いとされています。
血圧を下げる効果がある有酸素運動も同時に行いましょう。
ストレスを減らす趣味も持つと良いですね。
また、タバコやお酒は心筋梗塞・脳梗塞にとって百害あって一利なしです。
特にタバコは喫煙する本人だけでなくその煙を吸ってしまう人にも血管に悪影響を及ぼしますので禁煙を強くおすすめします。
心筋梗塞・脳梗塞の前兆が出たら一刻を争う事態です。
直ちに病院へ向かいましょう。
そうなる前に普段から血液の流れを良くする生活習慣を心がけてください。